邂 逅 ?

工学部 藤 原 裕 司

 昨年度、ドイツのレーゲンスブルグ大学でお世話になっていました。大きな大学なので便利なシステムがいろいろとあったのですが、よく活用させていただいたのがネットワークでした。私は学生寮で生活していたのですが、大学で簡単な申請をすれば、一ヶ月わずか3 DMで自分の部屋でネットワークが使いたい放題使えるという素晴らしいシステムでした。インターネット上で、日本の新聞を読むこともラジオを聴くこともテレビを見ることも出来ます。友人や家族との連絡も電子メールで行っていましたので、ネットワークが使えなければどんな生活になっていたやら、今からでは想像もつきません。
 ドイツには研究員として行っていました。私の研究の場合、実験をしなければ研究はすすまないのですが、やはり、他の研究者の研究内容を知ることは不可欠なので、文献を頻繁に調べるわけです。この場合もネットワークが1日24時間、自宅でも使えるということは非常にありがたいものでした。レーゲンスブルグ大学では1000タイトル近い物理系の学術雑誌がWEBで閲覧可能になっていますので、必要な文献は必要なときに、自宅にいても、ネットワーク経由でほぼすべて手に入ります。
 ところで話は変わりますが、ドイツは法律でビールの製法が決まっており、麦芽とモルト以外を使用してはいけません。みなさんご想像の通り、ビールは非常においしいです。しかも安い。大学の学生食堂でビールが売られているのですが(水もビールもコーラも同じ値段)、多くの人が、特に年配の方々が、昼間っから飲んでらっしゃいます。私が住んでいた寮では、飲み物の自動販売機があって、そこでレーゲンスブルグ市にある醸造所で作っているビールが売っていました。500ml瓶が1.5 DMでした(ちなみに水は0.9 DM)。実感として日本の1/3位の値段です。
 このように、自宅でネットワークが使いたい放題、ビールも安いし、美味い。その結果、‘ビールを飲みのみインターネットで情報集め’という‘夢の在宅勤務(?)’が実現したわけです。いや、もちろん大学で実験もしましたが。
 現在、三重大学の附属図書館も電子ジャーナルの導入を促進していらっしゃるようです*。私もよく利用させていただいております(といっても、まだ契約している学術雑誌の数が少ないので、附属図書館のWEB上でおこなえる文献複写サービスも併用していますが)。この調子で電子ジャーナルを導入していっていただければ、近い将来‘夢の在宅勤務’が出来るかもしれません。あ、でもビールは安くならないか。

(ふじわら・ゆうじ)

※DM:ドイツマルク(1DM=約60〜70円)

ドナウ河畔にある最古のソーセージ屋

ドラウ河畔にある最古のソーセージ屋 "Historische Wursküche"


* Science Directの場合、登録申請をすれば、学外から電子ジャーナルを利用できるリモートアクセス用のアカウントを発行することができます。詳細はこちらをご覧ください。(2003/09/09 参考調査係補記)


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