これまでの開催記録 2010年度

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2010年度 報告

三重大学・皇學館・伊賀市 文化フォーラム 2010
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回

三重大学・鳥羽市・海の博物館 文化フォーラム 2010 第1回

三重大学・志摩市 文化フォーラム 2010 第1回 第2回 第3回


-三重大学・皇學館大学 伊賀市文化フォーラム2010-


第1回
「近世伊賀における寺院の復興」
開催日  6月20日(日)
講 師  多田 實道 (タダ ジツドウ) 皇学館大学文学部講師
参加者  50名
江戸時代、伊賀国では第二次天正伊賀の乱(1581)で荒廃した寺院が次々と復興されました。その経過を知るのに好都合な史料が、伊賀市内の曹洞宗寺院に遺されておりますので、本講座にて御紹介したいと思います。

 

< 参加者の声 >
・今回の講師先生のお話なら何度でもお聞きして勉強したい。よく理解できた。
・伊賀の歴史を編年的にシリーズで講義する講座を考えて下さい。

 


第2回 「倭(やまと)を支えた伊賀の人々 ~伊賀国成立の背景を探る~」
開催日  7月11日(日)
講 師  山中 章(ヤマナカ アキラ) 三重大学人文学部教授
参加者  61名
奈良・平安時代の伊賀は、現在の都道府県と同格の国でした。内陸部にあって国と位置づけられたのは飛騨国と伊賀国だけでした。 なぜ律令国家はこの地域を高く評価したのでしょうか。その歴史的背景に考古学から迫ります。
< 参加者の声 >
・山中教授のお話の声、大変聴きやすい。内容についても感銘を受けました。
・会場が一杯で、みんな伊賀の古代に関心が高い事がよくわかりました。又、このような講座を持ってください。
・少し狭すぎメモ書きが出来ない。設備のある(机)があればいいが。

 


第3回 「伊賀地域の民俗行事」
開催日  7月18日(日)
講 師  櫻井治男(サクライ ハルオ) 皇學館大學社会福祉学部教授・学部長
参加者  42名
現代の私たちは、何かに追われるように時間を過し、生活にメリハリが少なくなり、季節感も薄れているのではないでしょうか。伊賀地域に伝わる一年と一生にかかわる伝統的な民俗行事の意味を考察したいと思います。
< 参加者の声 >
・無くなっている諸行事が説明頂き大変懐かしい思い出として受講させて頂きました。
・前2回を含め、何れの講師の方もメリハリのある説明に、時間の経つのも忘れるほどでした。
・今後も継続的に行ってください。

 


第4回 「なぜ、あなたは運動をしてもダイエットに成功しないのか?」
開催日  8月1日(日)
講 師  片山 靖富(カタヤマ ヤストミ) 皇學館大學教育学部准教授
参加者  12名
「運動をしているのに痩せない」なぜ、あなたのダイエットはうまくいかないのか?運動と体重減少のメカニズムとの関係、健康づくりのための運動について解説します。子ども、家族の健康づくりの参考にしてください。
< 参加者の声 >
・健康の為に無理しない程度の運動をします。
・日曜日でも少人数。残念な事です。市あげてPRが要と思った。

 


第5回 「若い女性のやせと次世代の健康」
開催日  8月8日(日)
講 師  杉浦 絹子(スギウラ キヌコ) 三重大学医学部准教授
参加者  8名
近年、若い女性のやせ志向の高まり等を背景に低出生体重児の割合が増加しています。疫学的調査研究により胎児期に低栄養にさらされると成人期にメタボ リックシンドローム等を発症しやすくなることがわかってきました。「小さく産んで大きく育てる」から「ちょうどよく産んで健康に育てる」へのシフトが求め られています。
< 参加者の声 >
・今回の講座は女性中心の講座であったが、男性の一人として出席して有意義な講座であったと思ふ。
・最新の成果がわかりやすく解説されよく理解でき、嬉しく思いました。有難うございました。
・参加人数が少ないのがとても気になりました。伊賀地区の保健指導に関わる職種の方に是非聞いて頂きたい。

 


第6回 「食はこどもの心と体をつくる -家庭での食育-」
開催日  8月22日(日)
講 師  磯辺 由香(イソベ ユカ) 三重大学教育学部准教授
参加者  15名
こどもの頃の食生活は、身体の健康だけでなく、豊かな人間性の形成にも、ひじょうに関連しています。近年の食生活の現状から様々な課題から望ましい食生活のあり方を見直すとともに家庭での食育の実践について考えます。
< 参加者の声 >
・仕事と家庭を両立する女性として、生活がたのしくなるエッセンスを教われるような講座を期待しています。忙しい中にも生きている喜びを共有できる時間が持てたら嬉しいです。
・脳のエネルギーはブドウ糖しかないということは知っていましたが、ブドウ糖が足りない場合、筋の蛋白質を分解している事は知らなかったので驚きました。

 


 - 三重大学・鳥羽市・海の博物館 文化フォーラム2010-


開催日   9月4日(土) 13:00 ~ 16:00
会 場   海の博物館1階ホール
参加者   75名

講 師   前川 行幸(まえがわ みゆき) 三重大学生物資源学研究科教授
演 題   「海女さんの海の森」

海の中にも森があります。アラメやカジメ等の海藻が作る森です。海の森の中では アワビやサザエは海藻を食べて生長し、海女漁の大切な場所となっています。この 海の森を守り育てるための方法について皆さんと一緒に考えましょう。

講 師   原田 泰志(はらだやすし) 三重大学生物資源学研究科教授
演 題   「海女さんの資源管理」

資源を守りながらたくさんとり続けられるように、海女さんたちはさまざまな決めごと を地域ごとに作って守っておられます。それらの例を紹介するとともに、いろいろな方 法について皆さんと一緒に考えたいと思います。

講 師   常 清秀(じょう せいしゅう) 三重大学生物資源学研究科教授
演 題   「海女さんによる販売への取り組み」

海女漁が長い歴史を持ち、漁家経営の一助にもなってきましたが、近年、漁獲対象資源 の減少や魚価安により厳しい状況に直面しています。最近、海女さんに より行われてい る取り組み等を紹介し、今後の海女漁のあり方について皆さんと一緒に考えましょう。



【前川行幸 教授】


【原田泰志 教授】


【常 清秀 教授】

< 参加者の声 >
・海女文化をいかに残すか、いかに利用し広げるかを議論する場を企画して欲しい。
・漁師や県、海博の方などとの討論の時間あるといいですね。
・地域住民と一緒に議論し地域課題の解決に導くことは、このフォーラムの意義をより高める取り組みになると思います。
・次回は観光など、技術や文化を"見せる"ことの意義について取り上げて頂きたいです。
・海女をテーマにしていますが、テーマを拡大して漁村を考えるような話題にして頂くのは有難いです。

 


- 三重大学・志摩市 文化フォーラム -

第1回   「里海とはどんな海? ~豊かな自然環境から学ぶこと~ 」
開催日  11月17日(水) 19:00~21:00
会 場  志摩市阿児アリーナ・ベイホール
参加者  174名
司 会  下川 元三(伊勢志摩総合研究所代表)


講 師  前川 行幸(まえがわ みゆき) 三重大学生物資源学研究科教授
演 題  「アマモ群落の修復を通じた内湾環境の再生について」

アマモ場は、海域環境の浄化や水産資源の確保に大きな役割を果たします。英虞湾では、アマモ場による堆積汚泥の浄化と人工干潟・藻場造成による浄化能力向上に取り組んでいます。環境保全と地場産業を調和させる内湾環境の再生について紹介します。

講 師   萩原 彰(おぎはら あきら) 三重大学教育学部教授
演 題  「里海を活かした環境教育の可能性」

里海は川、山、人里と共に自然と文化が分かち難くむすびついた一つの複合体を形成しています。
この里海複合をより豊かで持続的なものにするために、教育の場でできる事を環境行動というキーワードを中心に考えます。



【前川行幸 教授】


【萩原 彰 教授】


【会場の様子】
   < 参加者の声 >
・里海ということばに関心をもちました。またその取り組みについても驚きました。内湾環境の再生にも関心をもててよかった。
・"有能感"という言葉が記憶に残りました。大きな自然環境への課題を考えると、1人の力では何もできないと考えてしまいがちだが、小さな意識や、1人の 心がけ、自然を思う気持ちから、始められることを感じました。普段の心がけひとつで環境も変わっていくことを信じ、大人としてのモデルになりたいと思いま した。
・自分の住む地域の海の現状、課題を初めて知った。今回のアマモの話を聞き、海の再生に興味を持つことができた。大変そうだけれど参加してみたいと感じた。アゴ湾の話もあり身近に感じながら話を聞くことができた。

 


第2回   「私たちにできる里海づくり ~暮らしと環境との調和を求めて~ 」
開催日   12月1日(水) 19:00~21:00
会 場  志摩市阿児アリーナ・ベイホール
参加者  253名
司 会  伊藤 芳正(横山ビジターセンター事務局長)


講 師  高山 進(たかやま すすむ) 三重大学生物資源学研究科教授
演 題  「生物多様性条約の視点から志摩市里海事業を考える」

10月に名古屋で開催される生物多様性条約の目的は、①生物多様性の保全、②その健全な利用、③利益の公平な分配の3つです。この3つの目的を一体のものとしてとらえる見方は、ちょうど「里海」の理念と一致します。この視点から志摩市の事業の重要性を述べようと思います。

講 師  吉岡 基(よしおか もとい) 三重大学生物資源学研究科教授
演 題  「志摩の海への期待 ~東京から三重大に赴任した水産系一教員の視点から~」

17年前、15年住んだ東京から大学教員として赴任しました。
当時の大きな期待は、そこに海があるということでした。一教員の立場で、あるいは学生達が三重や志摩の海をどのように見て、何を期待しているのか、そんな話題を提供したいと思います。



【吉岡基 教授・高山進 教授】


【ディスカッション】


【会場の様子】
  
< 参加者の声 >
・海を好きな学生が多いと聞きうれしく思いました。生物にとって環境がとても大切なのは、人間もかわりないので、志摩・三重の海がいつまでもきれいで資源 の多い海である為の環境を守る事が大切と学びました。下水の処理は一般家庭でも考えていかなければいけないテーマと思います。大切な海を守りたいですね。
・志摩の環境のよさや、守り続けていくことの大切さを、子どもたちにも知らせていくことが大事だと思いました。
・志摩市の魚海類はとてもおいしいです。畑でとれるものもとてもおいしいと思います。旅行に行って旅先で食べても、志摩の方がおいしいと思うのです。この 豊かな自然にもどすために自分でできることがあれば、具体的に教えてほしいです。保育所の子どもたちにも、地場産の給食をさせたいと思いますが、良い方法 を教えてほしいです。

 


第3回   「里海が私たちにもたらすもの ~環境調和と生物多様性~ 」
-地域食材、食文化を大切にする意味とは-
開催日   12月15日(水) 19:00~21:00
会 場  志摩市阿児アリーナ・ベイホール
参加者  190名
司 会  浦中 秀人(志摩市産業振興部水産課)


講 師  朴 恵淑(ぱく けいしゅく) 三重大学人文学部教授
演 題  「地球温暖化・生物多様性の接点と志摩の持続可能な里海づくり」

地球温暖化により、地球上の生き物は年に約4万種が絶滅していると言われ、生き物が生存でき無くなる現状に直面しています。1997年の温暖化防止京都会議(COP3)と2010年の生物多様性愛知・名古屋会議(COP10)の接点を探り、志摩の持続可能な里海づくりに向けて、私たちは何をすべきかを考え、それぞれの役割を探りたいと思います。

講 師  吉松 隆夫(よしまつ たかお) 三重大学生物資源学研究科教授
演 題  「環境に優しい水産養殖技術」

水産養殖は、地球の食糧問題を解決する上で重要な役割があります。ところが環境に対する悪影響など、ネガティヴなイメージも依然残っています。それらを払拭する、環境に優しい養殖技術の新しい取組みを紹介します。

  
< 参加者の声 >
・考えるテーマを与えるための講義という位置づけであれば、非常に有意義であると感じた。今後、ひとりの人間としてできることを自分なりに実践していこう というきっかけにはなった。一部分の人間の問いかけではなく、志摩市民全員で考えていく必要があるのではないかと思う。里海を考えることは、常に自分に関 係しているということを認識させることが必要である。
・魚食が多い生活をしているのですが、養殖か天然か(産地はどこか)くらいしか関心を持っていなかったけれど、養殖をする海の環境や餌の話をきいて、もっ と自分たちの生活や環境に関心を持ち、できることを実行することの大切さを感じました。日々の仕事に追われて、人まかせになっていることに、なっている事 を改めて反省しました。