No.106  2000. 10. 20
三重大学附属図書館報「学塔」

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学塔のNo.選択


目次


附属図書館を育てるのは誰か(下)

人文学部  柴田正美
(前附属図書館長)

3 研究支援機能

 つぎに、研究支援機能について触れることとする。研究支援機能も変わることは疑いがないだろう。より高度な研究の展開が求められ、国際的に競争力を持つことが必要となり、さらには「社会への還元」という言葉で企業社会との連携を深めることが必至となってきている。企業から研究員が派遣されてくる事例もますます増えている。教官そして大学院生が対象とされてきた研究支援も質の変化を求められることとなる。
 この機能は、大学の成立、そして附属図書館の設置以来、連綿として求められているところである。しかも、大学そのものの変化が、この機能の実現可能性においても変化を求められていることだけは触れておくことが必要であろう。
 具体的には、かつては、研究支援機能は、かなり細分化された単位で果たされていた。例えば、講座単位の資料室・雑誌閲覧コーナーであったり、学科図書室であったり、せいぜい学部ごとに置かれた図書館において果たされてきたところである。しかし、これらの組織は、伝統的な学問体系・分類によって取りまとめられてきたものであり、1960年代以降に急速に展開した、学術研究の細分化・統合化・学際化といったものに対応しきれなくなっている。もちろん、個別研究者・教官にとっては、その出自たるところを離れることはないので、本来の場面での活躍を支えるために、より広く、かつ正確で、現代性の高い資料・情報を把握しておく必要性が高まってきたということになる。
 そこで講座・学科・学部といった枠を取り払い、より広い次元での集中化の効果を期待することになる。従来から鋭意努力してきた分野・テーマについての資料・情報の収集をより徹底することが求められるほか、全世界的な学術資料・情報を確実に収集できるための体制づくりが試みられることになる。
 現実においては、実際に資料・情報を収集する必要があるわけではなく、情報流通体制を整え、情報の発生を確実に認識できるようなシステムを提供することが研究支援機能の中核とされる。これらのシステムの中には、研究者・教官にとって初めての経験を強いるものもあるだろう。そのことについて図書館員がサポートするのは当然であり、これは結果としては研究者・教官の研究機能を発展・展開させる素地となり、いわゆるファカルティ・ディベロップメントにつながることとなる。
 この過程で忘れてはならないことは、研究者・教官は、その分野・テーマにおける専門家であり、それらの内容に関わることや、評価に関わることは図書館員は太刀打ちできるわけがないことである。図書館員が努力して一定以上の力をつける機会を得ることができれば可能かもしれないが、ほとんどの場合、サポート役にとどまることとなる。しかし新しい事態に直面して模索を続けている研究者・教官にとって、他の分野・テーマでの経験にもとづいたものであっても何らかの示唆となりうる図書館員からのサポートは心強いものであろう。分野・テーマごとの特色があるとは言え、適応可能性のある資料・情報の調査・探索技術が存在するならば、それについて図書館員は積極的な展開・応用を試みることを勧める必要がある。図書館員は、資料・情報の探索技術に関しての専門家として、高い能力と資質を備え、適切にそれらをサービスの現場に反映しなければならない。図書館員の人事計画には、こうした面も加味されることが期待されるようになってきた。
 高度な資料・情報の調査機能を支えるものは、充実したレファレンス資料であり、情報探索のための機器・サービスの充実であり、これに加えてそれらを効率的に使いこなす方法を習得し伝授できる能力を備えた図書館員となる。大学図書館が研究支援機能を十全に果たすためには、図書館員に期待されるところが非常に大きいだろう。
 研究支援機能について、今まで述べてきたことは、資料・情報の探索に関することである。探索の結果として判明した資料・情報のデリバリー機能がしっかりしていなければ、研究者・教官は「隔靴掻痒」の状況に追い込まれることになる。「サービスを展開する・実施する」とは、利用者の求めている資料・情報そのものを提供して始めて完結するということを忘れてはならない。デリバリー機能は、各大学図書館が、完全な意味での自己充足的環境を作り得ないことが明確になっている現代においては、必須のものとなっている。この時の大学図書館は、より仲介機関としての能力を果たすことである。相互協力体制をこれまで以上に強力に推進することが求められている。けれども、今、論議が進んでいる国立大学の「独立行政法人化」は、この体制を崩壊させる契機になる可能性が在ると見ても良いだろう。個別に独立した法人は、その範囲での効率化を競うこととなるので、よその法人のやむにやまれぬ要求への理解度は低下してゆく。むしろ、よその機関の要求を実現させないことが自らの地位を優位にすることになるので、「相互協力」といった局面は成立しなくなると考えてもよい。かつて「地域的に成立していた同種の分野・テーマをもった専門図書館の協力組織」が、図書館員たちの努力にもかかわらずあえなく崩壊してしまう事例を私たちは歴史の中で知っている。国立大学、大学全般に、そのような雰囲気が生まれてしまうことを危惧するもので、それを避ける提案を早急にとりまとめる必要があるだろう。
 研究支援機能の一つとして忘れてはならないことに、「保管・保存機能」がある。あらゆる分野における研究は、過去に蓄積された大量の知識を背景として進められることは当然のことである。現代においては、ややもすると「現在進行形」にあるものばかりに目をとられ、過去の事象についての考察が欠けることがあるが、学問研究においては許されることではないだろう。大学図書館を初めとする図書館は、これまでも「人類の知恵の宝庫」と認識されてきたが、めまぐるしく変化する現代の研究は、こうした機能を軽視することにつながる場合もあるようだ。情報の電子化が進行し、発信がインターネットを利用するようになると、発信者側の都合のみで蓄積されたり、されなかったりという事態が発生している。蓄積能力・媒体の不足から、一定の時間が経過すると自動的に削除される情報もかなり有るようだ。研究の展開が進んだ結果から、「情報が古くなった」と判断して削除・デリバリー不能とされるものも多い。このような発信状況とはなっていなかった時代においては、蓄積するか否かは、それらの情報を受信した側が、価値判断を行い、一定の評価を得たものだけが保管・保存されるのが通例であった。発信者の都合ではなく、情報の受信者が主体的に取り組む課題とされていたので、学問研究の上での評価ということもキチンとなされてきたといえる。
 大学図書館等の電子化・情報化が必然とされる経過において資料・情報のデリバリー機能の充実が求められている。これらは研究支援としての期待が寄せられているが、最新情報を中核として考えれば当然のことであろう。けれども、研究機能とその公共的機能を組み合わせてみると、デリバリー機能以上に資料・情報の「保管・保存機能」が重視されなければならないことは明らかである。
 この「保管・保存機能」は、大学図書館の3つ目の機能である「社会貢献機能」とも密接な関係がある。大学における教育と研究は、社会的に認知される知識の共有という面が強い。これまでの大学図書館は、このためのサポートを図るという役割にとどまっていればよかったのであるが、教育や学術研究のために動くことによって間接的に果たしてきた役割をより直接的に機能することが求められる情勢になっている。いわば、人類がこれまで鋭意努力してきた果実である資料と情報を、誰にでも提供し、社会全体に奉仕することが、「大学の開放」という文脈において実現することが期待されることになっている。

4 社会貢献的機能

 生涯学習、地域開放、産業界への貢献、といった言葉が大学図書館の世界で飛び交い、生涯学習を進めようとしている社会人への大学図書館の公開、産業界の研究開発に直接的な形で資料・情報を活用できる機会の増加、が図られ、それぞれの大学の置かれている地域での学術・文化の拠点という役割を担う方向が明らかにされてきている。国税・地方税を問わず投入されている税金を社会全体で利用するのが当然とする考え方や、大学という狭い枠組みのなかでのみ進められる研究・教育に対する批判、蓄積されたものをより広い範囲で利用することの効率性の強調、といったことから「社会貢献機能」が強調されるようになってきた。
 とともに、集積され、あるいはデリバリーされる資料・情報を適切に利用できる環境を整えるための機能をも強めなければならない。これは機能の目的をあらわす言葉ではなく大学図書館等を利用する主体を対象とした機能として把握すべきである。
 社会貢献的機能の充実は、生涯学習体制が唱えられるようになってから大学図書館の機能の一つとして重視されるようになってきた。卒業生などを「市民」として認識し実施してきた「市民開放」が、その範囲にとどまることを許されなくなっている。誰でも大学図書館にアクセスできるとなると、公共図書館等で蓄積されてきたノウハウを大学図書館も学ぶ必要が生まれることは明らかである。学外からの利用者の多くは、専門的内容をもった資料・情報を利用することを希望するのが普通である。研究支援機能との調整が必要となる場面も想定しておく必要がある。このためには、社会貢献的機能に対して教官の理解がなければならない。

5 3つの機能を果たすために、どう変わらなければならないか

 教育/学習支援・研究支援・社会貢献の3つの機能は、等分に大学図書館の機能として実現される必要がある。これまでは、多くの場合、研究支援が中心にあり、付随的に教育/学習支援を考え、さらに余力があれば社会貢献という順位がつけられていた。所蔵・収集する資料や情報は、研究を主たる目的とされるため、専門的で高度なものとなり、学生にとっては求める範囲と認識されることがなかった。それらの資料・情報を役立てている側も、我が身を除いては利用する可能性があるとも考えなかった。その結果、大学図書館の機能は多くの大学構成員から見放され、見放せば見放すほど「より有効性が低くなる」という悪循環の道を辿ることが続いてきた。
 この10年あまりの大学を巡る環境は、そうした状況を転回しなければならない方向性を示している。大学における教育/学習が変わり、大学における研究そのものへの社会から寄せられる期待が変化し、さらに社会は大学そのものが直接的に貢献することを求めるようになっている。地域との密着性を保たなければ存在そのものを否定する可能性すら感じられる。
 三重大学附属図書館は、環境変化への順応を始めている。全学部のシラバスを、学生に配布する前に教務担当係から受け取り、掲載された資料・情報の所蔵状況を調査し、未所蔵のものがあれば書店に発注して授業開始時には学生の求めに応じることができるように進めている。今後、シラバスが充実し、授業の進行に合わせて必要となる資料等の指示が教官から確実に提示されるようになれば、冒頭に引用した学生たちの不満の相当部分が解消されることが期待できる。新刊書を適時に入手する体制も形成された。教官推薦図書の制度を手直しし、いつでも推薦が可能となるようになっている。授業の進行に合わせた推薦が出てくることになるだろう。これまでは予算面での制約が存在したのであるが、新たな発想による予算配分が始まる本年度以降においては展開が可能となるだろう。
 研究支援の面では、情報のデリバリー機能が充実されてきた。多くのCD-ROMがジュークボックス形式のドライバーに搭載され、利用が広がっている。医学部や情報処理センターとの協同のもとで、多くの商用データベースへのアクセスを保障する機能も充実してきた。今後は効率的な利用を促進するための案内やガイダンスを着実に実施することが課題となるだろう。
 地域との密着性を高めることも進められている。高校生以下であっても利用できる「市民開放」は2年度以上にわたって利用する「固定客」を生み出したり、ホームページを閲覧して制度を知って訪れる市民が増えるなど広がりを見せている。三重県立図書館がセンター的役割を引き受けて稼働している「三重県図書館ネットワーク」へのデータ提供は、全国的にも珍しいシステムとして展開されている。このシステムで資料の所蔵を確認して「市民開放」制度を利用するようになった人もいれば、県内遠隔地の住民が居住地の公共図書館を窓口として三重大学附属図書館の資料を利用するといった実績もできている。提供するデータを充実することと、資料利用に着実に結びつける体制整備が求められるようになっている。
 附属図書館の経営責任は、教官主体の組織によって担われている。大学に期待されている姿にあわせて附属図書館が変容するべきことを求めるのも経営責任の果たし方であろう。教育/学習支援は教官の主導でなされて当然である。研究支援は教官の研究環境の改善に直結する。社会貢献的機能は大学の社会的役割への期待に応えるものであり、大学構成員すべてが責任を果たす必要がある。こうした関係を見据えて、先に掲げたような課題等にとりかかることが重要であろうと考えている。
(しばた・まさみ)
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プロレタリア詩人――梅川文男のこと

人文学部 尾西康充

 このページに掲げた写真は、20歳のころの梅川文男である。当時、労働農民党の委員長であった大山郁夫が「あのころ君は、可愛い美少年だったがねェ」と語っている。まだ幼さを残すこの青年が1928年の3・15事件で検挙され、はげしい拷問を受けながらも非転向をつらぬいたという事実は、にわかに信じがたいであろう。
 いまでは梅川文男という名前さえ知らない人も多い。彼は戦後、三重県議会議員を1期、松阪市長を3期つとめ、革新の立場から独自の行政手腕をふるった。戦前は非合法の左翼活動にかかわり、松阪第一小学校の準教員のとき、出版法違反で検挙され、その職を追われる。日本農民組合(日農)の幹部で松阪に来ていた大西俊夫とともにマルクス主義の研究会をひらいていたのが警戒されたらしい。その後は故郷の松阪をはなれ、兵庫県の淡路島にわたって活動した。
 彼はまた、自由をうばわれた民衆の〈怒れる声〉に共鳴したプロレタリア詩人でもあった。松阪方言を用いて書かれた『燻ぶつてるゾ!』は、彼が「堀坂山行」のペンネームで発表した詩である。そのなかには「どうしたらえゝのやうー/なんとかならんもんかいのう。/なんとかしてくれェー/なるやうによりならへんぞ/どうなとせい!」(「文学建設者」1934年6月)という言葉がある。大地にあえぐ農民の声がひろい上げられ、そのままの形で表現されている。
 ところで写真をよく見ると、その右下には「文男」と書かれている。彼が一時、養子に入っていた淡路島の芝先家で、今日まで大切に保存されてきた写真である。このほど訪問して、梅川文男の淡路時代に関する記録を調べていたところ、ふるいアルバムからとり出していただいた。いつ撮影されたものか定かではないが、おそらく日農淡路連合会書記をつとめていたころのものだと考えられる。
 当時、彼が2階に寄寓していた芝先覚−−日農総本部の常任委員であった長尾有の実弟−−の屋敷は、まだとり壊されずに残されている。その隣には農民組合の本部事務所が設けられていたという。芝先家のある南淡町賀集八幡は、北は南辺寺(なんべいじ)山、南は譲葉(ゆずりは)山系にかこまれた静かな場所で、淳仁天皇陵が目と鼻のさきにある。かつて淡路島は農民闘争では全国有数の先進地であったため、数多くの運動家たちが訪れている。
 故郷を遠くはなれ、日々争議に明け暮れる青年の胸中に去来していたものは、一体、何であったのだろうか。自由を希って生きた梅川文男の淡路時代を想うとき、抑えがたい昂揚を感じさせられる。彼の生涯についての問いかけは、私のなかでまだ始まったばかりである。
 (※なお梅川文男の詩業について、「人文論叢」(人文学部文化学科紀要、来年3月刊行予定)に拙論を掲載する予定にしています。もしご関心をお持ちの方は、ぜひご覧ください。)
(おにし・やすみつ)

梅川文男の肖像

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『医学部図書館』

医学部  出口克巳

 国立大学の独立法人化問題が現実のものとなり、平成12年度から国立大学経費配分法も変更された。本大学医学部でも、従来から聖域化されていた各講座配分額も平成11年度に引き続き平成12年度も減額となった。一方、医学部図書費は、平成10年度から購入学術雑誌の利用頻度や講座希望度を調査・見直し、一部雑誌の購入中止などにより平成12年度には約1000万円の減額となったが、なお、約5000万円を維持している。医学部教授会での予算審議の際、「図書費もさらに削減すべきではないか」「教育・研究機関における図書の重要性に鑑み図書費削減は最後に考えるべき」の相反する意見が出されている。
 この様な状況下で、本大学に5学部の附属図書館が存在するなかで、医学図書館の使命、独立した『医学部図書館』(以下、後出の「内規」に従い『医学部図書館』とする)設置の歴史を振り返りながら、現在の医学部図書館の業務などを紹介する。

医学図書館の使命

 医学教育基準(昭和29年12月4日)によると、医学専門課程の施設として医学図書館を設け、その機能を充分に発揮するよう運営されなければならないと規定されている。昭和50年9月第53回国立大学医学部長会議は、医学図書館の使命に関し、「医学図書館は、大学医学部(医科大学)における医学研究と医学教育に重要かつ基本的な役割を演ずるものである」として、医学図書館の備えるべき要件をまとめている。これらの要件の多くは、現在においても医学図書館の使命として重要なものである。

国立大学への移管と医学部図書館

 本学医学部の前身校である三重県立大学の国立大学への移管時、現在の医学部図書館の基礎が築かれるに至る経過、当時の医学部教官・学生・事務職員の涙ぐましい努力が『三重大学医学部五十年史』に詳細に記載されている。
 この記載によると、医学部とすれば、とくに臨床医にとっては図書や雑誌は出来るだけ身近に欲しく、上記「医学教育基準」の規定から、これらを背景に医学部独自の図書館をもつため、医学部の建築基準面積のうちで一定の割合を割くことになった。 同49年(1974)3月着工の増築棟のうちに図書館が組み込まれ、同年9月に竣工した。
 その昭和49年5月頃、三重大学の5学部の新・中央図書館の概算要求が文部省あてなされる時、医学部としては新設にあたって医学部図書室を部局図書館あるいは分館として認められることを希望し、申し出た。文部省では敷地が分散している大学では分館の存在を認めるが、同一敷地に集約している場合には本来は認めないか、あるいはその職員や維持運営費について特別な措置を図らない、としていた。しかし、別に文部省の見解を求めたところでは(昭和48年1月)、医学部の特殊性、たとえば学習図書館としてよりも研究図書館としての性格、あるいは先の医学教育基準の規定などによって、三重大学などの中程度の大きさのキャンパスでも中央図書館とは別に医学図書館を設置することは適当とされた。昭和50年4月に図書館に5名の事務官が配属され、現在の医学部図書館の基礎が築かれた。

現在の医学部図書館の組織と業務

 現在の医学部図書館は、昭和56年4月1日制定の「三重大学医学部図書館内規」に従い、館長(医学部教授)・課長(学務課長)・係長各1名、係員4名で組織され、以下の業務を行っている。

  1. 貸出・返却など、利用者の求めに応じたカウンター業務。
  2. 複写物の入手に関すること:医学部教職員・学生の求めに応じ、学外所蔵文献を国立情報学研究所のILLシステムを利用し入手している。また、医学部所蔵文献に対する学外からのコピー依頼に応じている。年間依頼5千件、受付1千件を処理。ともに受付から複写物の引き渡しまでを1週間以内で処理することを目標としている。(海外からの文献入手、図書の学外からの取り寄せ(相互貸借)は附属図書館を利用している。)
  3. 外国雑誌受入業務:医学部図書館でチェックイン(全学の約3割):外国雑誌は出版社から医学部図書館に直送されるよう配慮していただいている。これにより現在、郵便物到着から配架までを即日処理できている。
  4. 医学部購入雑誌の国立情報学研究所目録システムヘのオンライン登録(雑誌目録の作成):これにより登録された雑誌の目録は即日オンラインで検索ができ、NACSIS Webcat(全国オンライン目録)、OPAC(三重大学オンライ ン目録)へ最新デ−タが反映される。
  5. MEDLINEの医学部登録者の把握、ガイダンス。
  6. 医中誌、カレコン(Current Contents)、JCRの提供。
  7. 日本医学図書館協会正加盟館、東海地区医学図書館協議会幹事館。
  8. 三重医学、Mie Medical Journal、三重看護学誌(Mie Nursing Journal)の編集。

 また、医学部ネットワーク利用の簡便化をめざし、図書館内ではWindowsノートパソコンで利用できる高速無線LAN環境が実現している。(ネットワークの設定、サーバー機の維持管理等は医療情報部にお願いしている。)
 なお、有料オンラインデータベース検索(JOIS、DIALOGなど)は、1999年度の利用実績がなかったため、2000年度に契約解除となり、必要があれば附属図書館へ依頼することとなった。

 以上、医学部図書館は、研究図書館の性格を中心として、医学部内の共通経費・人件費により運営されている。大学における教育・研究を取り巻く環境が厳しくなるにつれ、経済的観点からも効率よく医学教育・研究を遂行する上で医学図書館の使命を全うすることが必要であることを再認識する次第である。

(でぐち・かつみ)

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附属図書館からのお知らせ

新しい蔵書目録検索システムについて

 オンライン蔵書目録検索システム(OPAC)が、より使いやすく生まれ変わりました。
 新OPACは、検索画面のデザインを一新したことに加え、資料のISBNやISSNから検索を行うことができるようになり、図書に与えられているNDC分類による主題検索をより細かく行えるようになりました。また、NACSIS-WebcatやMILAI(三重県図書館情報ネットワーク)、国立国会図書館の蔵書目録データベースへのリンクを掲載し、求める資料が学内に見つからなかった場合に、対象を広げて検索を行うという資料探索の流れを意識した構成となっています。
 英語版のオンラインヘルプなど、一部未完成のページが残っていますが、新しいOPACを活用して、研究や学習に必要な資料を効率的に探索してください。

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著書寄贈

井口 靖(著)人文学部助教授
 副詞. 大学書林, 2000.2 (ドイツ語文法シリーズ ; 5)
中川健治(著)名誉教授
 茶関係機械研究論文集 : 西暦1964年〜1980年. 中川健治
舩岡正光(著)生物資源学部教授
 環境 森林とリサイクル. 国土社, 2000.3 (みんなで学ぶ総合的学習 ; 4)
森 由紀(分担執筆)留学生センター助教授
 留学生の専門日本語教育充実をめざして:社会科学系の留学生教育支援のために:「1997年度学内特別経費」による研究プロジェクト報告. 三重大学, 1998.3
 NPOと自治体との連携に関する調査研究研究報告書 : NPOが変える世界. 三重県高等教育機関連絡会議, 1999.3
 市民が主役のまちづくりの波:町づくりの現状と課題研究報告 / 三重県高等教育機関連絡会議町づくりの現状と課題研究グループ編. 三重県高等教育機関連絡会議, 1998.3
関根義彦(著)生物資源学部教授
 環境 海と自然を考える. 国土社, 2000.3 (みんなで学ぶ総合的学習 ; 3)
西川 洋(分担執筆)人文学部教授
 三重県の歴史 / 稲本紀昭[ほか]著. 山川出版社, 2000.7 (県史 ; 24)
和田浩爾(著)名誉教授
 真珠の科学 : 真珠のできる仕組みと見分け方.真珠新聞社, 1999.3
和田浩爾(分担執筆)名誉教授
 貝のミラクル : 軟体動物の最新学 / 奥谷喬司編著. 東海大学出版会, 1997.10

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主要日誌

4月28日(金)
 東海地区国立大学図書館協議会総会(於:豊橋技術科学大学)富岡館長、吉田事務部長、本橋情報管理課長、望月情報サービス課長出席
5月23日(火)
 国立大学附属図書館事務部課長会議(於:東京医科歯科大学)吉田事務部長、本橋情報管理課長出席
5月25日(木)
 三重県図書館協会総会(於:三重県総合文化センター)望月情報サービス課長、萩野専門員出席
6月6日(火)
 第1回附属図書館運営委員会開催
6月16日(金)
 東海地区国立大学図書館長懇談会(於:名古屋大学)富岡館長出席
6月19日(月)
 三重県大学図書館連絡会開催
6月28日(水)〜6月29日(木)
 国立大学図書館協議会総会(於:金沢大学)富岡館長、吉田事務部長、望月情報サービス課長出席
7月11日(火)
 第2回附属図書館運営委員会開催
 第1回附属図書館選書委員会開催
 「学塔」編集委員会開催
7月19日(水)
 東海地区大学図書館協議会研究集会(於:愛知工業大学)富岡館長、吉田事務部長、本橋情報管理課長、菅野総務係長出席

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三重大学附属図書館報 No.106  2000年10月20日 三重大学附属図書館発行
〒514-8507 津市上浜町1515 TEL 059-232-1211(代) FAX 059-231-9086