明治・大正・昭和初期の地形図および気象学・気候学関係雑誌の寄贈について


 この度、水越充治・三重大学名誉教授より、恩師の故・福井英一郎東京教育大学(現、筑波大学)名誉教授(1905-2000)が遺された地形図・地勢図・地方図、総計1,947面と水越先生ご自身がこれまでに収集された気象学や気候学関係の雑誌(6タイトル)のバックナンバーを寄贈していただきました。

 福井英一郎氏は、日本における気候学の開拓者で、33才の若さでその後半世紀以上にもわたって気候学を学ぶ者の必読の書としての座を保ち続けた大著『気候学』を著すなど、その業績は目覚ましく研究・教育両面にわたって活躍されました。戦中戦後にかけての数年は中央気象台にも勤務され、その間中国の華北観象台の副台長を務められました。地形図は野外調査で使用されたものということで、全て12cm×20cm前後に折り畳まれています。

 地形図・地勢図・地方図のうち明治期のものでは、明治13年〜明治19年陸軍第1師団迅速測図の2万分の1地形図(関東地方、計63面)や明治23年〜明治42年測図の2万分の1地形図(近畿・中国地方、計54面)などがあります。ちなみに津近辺では明治23年測図の「津」(津近傍4号)や明治25年測図の「高野尾村」(津近傍7号)他があります。又、昭和初年のものでは昭和8年測図の満州10万分の1図(計4面)や昭和7年製版の満州50万分の1図(計5面)などがあります。

 なお、水越先生に作成していただいた目録もありますので内容は一覧することが可能です。

【気象学・気候学関係の雑誌の内訳は下記のとおりです。】
 (1) “Tellus : a quarterly journal of geophysics” vol. 1(1949), vol. 21(1969)-vol. 53(2001)
 (2)“World Weather Records, 1931-1940” (コピー、一部欠あり)
   “World Weather Records, 1941-1950” (コピー、一部欠あり)
   “World Weather Records, 1951-1960” vol. 1-vol. 6
   “World Weather Records, 1961-1970” vol. 1-vol. 3
 (3)「気象研究ノート」      9巻(1958)-17巻1号(1966);90号(1967)-202号(2002)
 (4)「気象庁研究時報」  4巻(1952)-44巻(1992)
 (5)「異常天候監視報告」     1号(1974)-21号(1984), 23号(1985)
 (6)「全国気象旬報」       1953年-1955年


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