三重大学人文学部フォーラム in いなべ 2004 第3回報告

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10月6日(水)
19:00~20:00 講演
20:15~21:00 パネルディスカッション
講師: 寺川史朗 人文学部助教授

「教育・子ども・人権」

参加者:12名

[フォーラム報告]

参加者12名。寺川史朗先生の講演は、準憲法たる「教育基本法」が描く「教育」像が現実レベルの「教育」像と乖離していることを、1950年代から今日に 至るまでの歴史的過程を踏まえて、解明するものでした。寺川先生は、締めくくりに、「地域の子どもは地域で育てる」こと、子どもの人としての人格、人権を 認め、子どもたちの多様な要求を汲み取る教育環境を地域がつくること、そのことの大切さを訴えられました。
2部のパネルディスカッションは、アシスタントの大学院生中井厚仁君の提案で、机を円形に並べ変え、円卓会議風に行われました。この形にすると、参加者は 互いに目を見て話すことができ、良い雰囲気が生まれました。かつて教師であった方は、昔はこんな風に子どもたちを教育したと体験談を語り、塾を経営してい る方は、ご自身の教育論を語り、いじめ等の具体的な問題に取り組んでいる市民グループ、キャップ(Cap)の方たちは、教育現場に足を運んで活動している 実践内容を語り、市会議員の方は、教育行政の難問を語る等、フォーラムに相応しい質の高い自由な議論の場となりました。肝心の「地域の子どもは地域で育て る」ことのイメージが議論になりかけましたが、残念、時間切れとなってしまいました。(友永輝比古)


[フォーラム感想]

フォーラムをはじめて担当させていただきました。単なる事実や知識だけでなく、ふだんの授業よりも拙見を多分に盛り込みましたので、後半の討論でいろんな 意見が出ました。私の考えに賛成の人あり、反対の人あり、です。しかし、社会科学、とりわけ憲法学という領域に足を突っ込んでいる者としては、多様な意見 が出てきたことについてとても嬉しく思いました。個人レベルの主義・主張のちがいはさほど重要ではありません。討論できる場があり、そこで、いろんな考え をぶつけ合うことができたことが、非常に意義深いことだとあらためて感じました。もっとも、参加者からのアンケートを見ますと、非常に厳しい意見もありま した。授業改善に活かしていきたいと思います。ほんとうに、フォーラムは「FD効果抜群!」(塚本明先生談)です。(寺川)