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三重大学人文学部フォーラム in いなべ 2004 第5回報告
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11月17日(水) 19:00~20:00 講演 20:15~21:00 パネルディスカッション 講師: 太田 清久 工学部教授 「環境ホルモンとその無害化」 参加者:4名 |
[報告]
太田清久先生の講演は、来年度から有害・有毒物質(環境ホルモン)のリストが廃止されるという、大多数の人々にとってショッキングな報告から始まりました。
「環境省は1998年に作成した環境ホルモンと疑われる67物質のリストを廃止し、改めて約千の化学物質から洗い直す方針を固め、“リストにあがった物質 のこれまでの研究では生殖機能への作用が主だったが、免疫機能への影響など新たな試験の必要も出てきたことなどから、第三者機関によって随時、物質を選ん で試験していく。この試験は来年度からスタートする。”と発表した(2004年6月1日)」(レジメ引用)。環境ホルモン・リストそのものが廃止されると聴いて、参加者は顔をこわばらせていました。
さらにショッキングな話は、これまで環境ホルモンと認定されていた物質をはじめとして、自然界が生み出さない人口の化学物質は、1965年には約21万 だったのが、現在では約5000万あるとのことでした。大多数のごく普通の人々が普通に考えて、これはもう天文学的な数字で、一つひとつの物質の無害と有 害を判定するのは、ほとんど不可能と言っても良いのではないだろうかと、聴講した素人の私などは思ってしまいます。しかも、新物質の数はこれからも急速に 増え続ける訳ですから。
太田先生は、環境ホルモンが動植物におよぼす影響として、主に男女の出生比率を、国別、ひとつの国の地域別、また、人種別の統計資料に基づいて、環境ホル モンの影響を受けている場合には、女の子が生まれる率が高いと説明されました。環境ホルモンの影響がない場合には、一般に男の生まれる率が女よりも僅かに 高いそうです。ここでもショッキングだったのは、アメリカの都会と田舎を比較した場合、田舎の方が女の子の出生が多いということでした。多分、農薬による ものらしいのですが、田舎というと自然に恵まれた環境というイメージを持っている私たちにとって、これは驚きでした。日本でも、地域別、季節別の男女出生 統計資料が公にされれば、このことはよりはっきりするのではないかという思いを持ちました。
お話は、環境ホルモンの無害化の方法に移り、19種類のやり方を説明され、先生ご自身は、特に「光分解法」を使って、産廃業者、大手建設会社、大手家電メーカーと「環境ホルモンの無害化とその再資源化」に関する共同研究を行っておられるとのことでした。
パネルディスカッションは少人数ゼミ風に行われ、講師先生と参加者は和やかな雰囲気の中で、お互いの思いを率直に語り合いました。(友永輝比古)
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